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女子のお誕生会で(7)2017-09-16(Sat)

 裸になることに躊躇していると思われてはいけない。
 男はいつも堂々としていればいいのだ。

 そう思っていた。だがブリーフが膝を通り抜けると急速に恥ずかしさが増していく。昔はおちんちんを女子の前で丸出しにして踊って見せつけ、笑いをとるくらいなんでもなかったはずだ。それなのに後悔している自分がいる。

「いいぞ〜」
「きゃあっ」
「早く脱いじゃえ」
「いやぁ…」
 女子たちは各々、声援を送り続けた。

 ぷるぷると震えて出す。片足を上げてブリーフを脱ぐときに転んだらまずい。興奮しているわけでもないのに訳も分からず勃起しているのだ。このエレクトした状態を見られるのは、おふざけで裸になって笑いを取るという次元とはかけ離れている。意味合いが違ってくる。だから万が一にも紙皿は退けるわけにはいかない。

 右手だけでブリーフを引き下ろしていく。身体をくの字に曲げ、ブリーフが足首に到達する。慎重に…。だが迅速に脱ぎ去らなければならなかった。脱ぐスピードが遅いと躊躇していると思われてしまう。

 すっと左足を上げブリーフを引き抜いた。と思った。
 あれ…。
 ぐらっ… とバランスが崩れる。普段ならこんなことでグラつくわけがないのに…。
「おっ …と」
 とっとっと… などと右足でケンケンして女子たちが見ているソファーのほうへ近づいてしまった。
「きゃっ」
「やぁだ!」

 悲鳴が俺を焦らせる。

「転ぶよっ!」
 渓口が俺のアクシデントを待ってましたとばかりに起きて欲しい現象を口にする。期待に胸膨らませた表情だ。

「…と」
 何とか踏みとどまった…。
 かかとに引っかかっていたブリーフを引き抜いて左足を大地に根付かせる。女子たちは「ホッ」としたような「なぁんだ」と言うようなそれぞれ悲喜こもごもだ。

 ここで転んだら勃起したおちんちんがブラブラと飛び出ることになって悲鳴の嵐だろう。俺もお婿に行けなくなってしまう。人体切断マジックで本当に身体が真っ二つになるようなものだ。そんなエンターテイナーの端くれにも置けないミスを犯すところだった。

 ドキドキしながら右足からすっとブリーフを引き抜いてやった。
 どうだ。靴下を除いて堂々と恥ずかしがらずに全裸になってやったぞ。恥ずかしがって脱ぐのを躊躇すると余計に恥ずかしいものなのだ。俺みたいにスッスッスッと脱げば何も恥ずかしくない。スッと顔を上げ、ドヤ顔で女子たちを見る。
「!?」
 近い!

 手を伸ばせば笹木の頭を叩けそうなくらい近かった。笹木はちょっと口を開け、びっくりしたような表情で頬を染めていた。ケンケンしてちょっと前に出たことでこんなに観客席と近いのだと実感する。28の瞳がくりっと裸の俺を間近で注視しているのだ。

「…」
 俺は慌てて何ごともなかったかのようにバックする。何だか顔が熱かった。戸惑っているなどとバレてはエンターテイナー失格だ。澄まし顔で元の位置に戻る。
「っぁっ!?」
 足がもつれ、つるっと滑った。

 すってーん!

「きゃー!!」
「やだーっ もうっ!」

 しまった!
 一斉に女子たちから悲鳴が上がる。今日イチの声量だ。
 ガタッとダイニングでお母さんとお姉さんが席を立った。「あの100%の芸ね。おもしろいからいいわね」と微笑んでいた大人たちが慌てたのだ。ここでバッキバキに勃起した猥褻物を陳列してしまったらちょっと主催者としては聞いていた話と違いますけどという雰囲気である。

 俺は足をVの字に天高く掲げ、女子たちに股間を差し出していた。

 左手の紙皿は… しっかり股間にベタ付けだ。
 受け身は右手だけ。この左手は密着させたまま離すわけにはいかないという意志が勝った。

 一瞬、目が鬼のようになったお母さんとお姉さんは「なんだ、大丈夫なのね」という顔でイスに座り直した。
 女子たちも早とちりで顔を伏せているやつが中邑を始めとして何人もいた。おちんちんがぽろんっと露出したのだと思い込んだのだろう。少女たちの頭の中でおちんちんがゾウさんの鼻のようにブラブラと揺れるエッチな想像を働かせたに違いない。どエロめ!
「ちょっ 嫌だっ」
 本気で嫌がって顔を覆い伏せる中邑。
「ひぃやぁんっ」
 この素っ頓狂な悲鳴は誰だ?
「ひゃっ」
 意外なのは喜多野だ。彼女は女の子みたいに顔を赤くして両手で顔を覆っていた。オラオラ系かと思ったら異性の裸に耐性はないらしい。
「ぶっははっ!」
「だっさーい」
 目を逸らさない笹木と砂藤はちゃんと股間が隠されていることにいち早く気づいている。単純に転んだことが面白いようだ。
「あはははっ!」
 渓口も無邪気に笑っていた。彼女の反応でおちんちんが本当に露出したわけじゃないと悟った女子たちが片目を少しずつ開き、両手を顔から離していった。
 ぽけっとしていた渡部妹もやっと面白さを理解したのか手を叩いて喜んでいる。だいたい子どもって人の失敗で笑うんだ。

「!?」
 ぬぅっと首を伸ばして守谷が俺の股間が凝視していた。なんとかおちんちんが見えないものかと真剣な眼差しだ。
 俺はささっと立ち上がる。

「……」
 もう一人、ぽっちゃりの杁山も目を見開いて首を傾げていた。電車で真向かいに座った女子高生のパンツを覗こうとしているおじさんみたいに下から見れば行けるんじゃ?といった表情だ。
 渡部姉と西濃はまだ顔を伏せていた。恥ずかしがりめ。

 キッ
 市河が睨みつけるようにメガネを光らせていた。こいつは真面目だから怒っているのかも知れない。お母さん的な見方をしているようだ。バカの癖に。

 伊駒は落ち着いた顔で眺めている。むしろ冷めきっているようだ。

「写真撮ってやろうと思ったのにっ」
「なんだ、びっくりした。おちんちんが出ちゃったのかと思った」
「むしろミスしたと見せかけた高度なエンターテイメントかもっ」
 きゃきゃと囃し立てる山元、柏城、小島。

 女子たちの様々な反応でおちんちんは硬度を増していった。ビクビクンッと紙皿を跳ね除けようとしている。
「くっ…」
 俺は堂々としていなければならない。これは小島が言うようにわざとミスったフリをする高度な技術なのだ。なのに背が丸まり腰が引けている。
 何だか異常に顔や耳がグツグツと熱いんだ…。
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女子のお誕生会で(6)2017-09-09(Sat)

「きゃーっ」
 黄色い悲鳴が方々で上がる。

 けっ。
 まだTシャツを脱いだだけなのに、この程度で悲鳴とは。女というやつはピーチクパーク煩いったらないぜ。

 俺はカーテンの全開になったベランダを背にして上半身裸になった。窓も開いているので涼しい風も入ってくる。
 Tシャツを脱ぐときに例の変な帽子が邪魔だったので一緒に脱げたわけだが、もう一度ちゃんと被り直した。ただ全裸になるよりもこういうアイテムを身に付けていたほうが衣装っぽくていい。蝶ネクタイとHAPPYとデザインされたメガネもあるので、これでただの素っ裸ではなくなる。れっきとした舞台衣装なのだ。

「やだ、なんか乳首勃ってる…」

 誰かが小声で誰かに耳打ちをしている。構うもんか。何も恥ずかしいことなんてない。ハーフパンツに手をかけてボタンを外し、一気に下ろす。
「きゃーっ」
「いやだっ」
 ブリーフ姿の俺を見て女子たちはより一層、声を上げた。
 おちんちんが少しムクリと反応する。

「本当に脱いでるしっ」と小島。
「マジでやるんだっ」と渡部姉。

 ムクムク…。

「なんか動いてない?」と山元が市河に聞いていた。

 見られてる…。
 ムクムクムク…。

 俺は清々しい気持ちで足でハーフパンツを蹴飛ばした。床に置いておいた直径15センチの紙皿を拾い上げる。軽く股間に充てて半勃起のおちんちんをさり気なく隠した。
 何だろう、この気持ち…。背を反らし、胸を張った。足も肩幅に開いて威風堂々と下着姿を見せてやった。紙皿で勃起し始めているのは隠しているが…。これは女子たちが恥ずかしいだろうから隠してやっているだけだ。
 慌てているのはむしろ女どものほうなのだ。

「もうっ」
 中邑なんか頬を染めて目線を逸らしているじゃないか。俺が堂々と澄ました顔で裸体を向けてやったので彼女は恥ずかしがっている。

「いいぞいいぞっ」
 しかし笹木はゆったり床に腰を下ろして笑っていた。渓口も足をバタつかせ、手を叩いて笑っている。中邑と違って女らしさの欠片もない。

 女子の反応は様々だ。
 中邑の両隣に座る西濃と伊駒も顔を赤くしている。恥じらいがあって大変よろしい。
 伊駒の隣にちょこんと座る渡部妹は小首を傾げ、何が起きているのか解っていないようだった。こいつは裸芸の何がおもしろいのかも解らないだろうな。

 ショーを単純に楽しんでいるのは笹木を筆頭に、渓口、山元、柏城、喜多野、砂藤、渡部だ。彼女たちはノリが良く、手を叩き喝采を上げ、大いに笑ってくれた。せっかく芸をやるのだからコイツらの反応が一番正しい。
 「うわぁ、よくやるよ…」と呆れた様子なのは小島。
 そして「低能ね」といった表情で俺を蔑むのは市河。
 じぃ〜っと何を考えているのか解らない感じで見てくるのはぽっちゃり杁山。
 最後に目を見開いて鼻の穴を広げている守谷。

 杁山と守谷はちょっと耳が赤くて、目は充血している。熱っぽい視線で興味しんしんといった様子だ。

「どうした? 早く脱げよっ」
 身も蓋もデリカシーもない喜多野はアハハと笑いながら野次を飛ばす。女子の反応を見ていた俺はふと我に返った。ハーフパンツを脱いでからブリーフを脱ぐまでの時間が長いと、まるで俺が恥ずかしがっているみたいだ。そんなことがあるわけがない。男はいつだって堂々としているものだ。俺は躊躇なくブリーフを下ろしてやる所存である。

「靴下もちゃんと脱げよ」
「っ!!?」
 ブリーフに手をかけたところでまた喜多野が声を上げる。群衆の中に笑いが生じていた。こういうのは靴下を脱いでからブリーフじゃないのか? という突っ込みだ。
 俺が恥ずかしさのあまり脱ぐ順番を間違えたんじゃないのかという空気だった。脱ぐ順番などどっちでもいいだろう!
 俺は敢えて間違ったんじゃないと示すために紙皿を股間に充てながら先にブリーフを脱ぐ。

 片手でブリーフの両サイドを少しずつ摺り下ろして膝まで下ろしてやった。大丈夫だ。股間は紙皿でしっかりガードしてある。

 女子たちの空気感が変わった。

 息を呑むというのか、笑いが引っ込んで「おぉ」という感心が高まったようだ。笹木、渓口、砂藤だけはまだショーを楽しむノリで手を叩いて笑っていた。しかし「本当に全裸になるのかよ」と表情が一変したのは喜多野だ。俺が脱げずに泣き出してしまうのを期待でもしていたのだろうか。勇気のあるやつだと喜多野は俺のことを認めたようだ。
 柏木と渡部姉はショーを楽しんでいたが、少し恥じらいが上回ってきた様子で頬を染めて目をパチクリとさせる。マジックショーで『人体切断』にタネがあると解っていても「ほんとに大丈夫かな?」と心配するような感じだろうか。

 中邑は両手で顔を覆うようにして口元を隠した。顔が真っ赤で身体を引き気味にしている。西濃は下を向いて、伊駒は甲斐甲斐しく中邑を守るように身を寄せていた。
 相変わらずぽけーっとした様子の渡部妹。

「いやだっ もうっ」
 中邑は誰よりも恥ずかしがっている。お母さんとお姉さんの前だから殊更なのかも知れない。修学旅行のときは夜だったし状況が状況だからな。
 チラチラと横目で俺の股間を見てくる。

 ムクムク。
 ムックゥ…。
 半勃起だったおちんちんはバキバキに硬くなっていった。紙皿を押し退けようとしているのかと疑うほどに俺の押さえつける力に反発してくる。
 紙皿の上からでも硬さが解るほどにカチンカチンだ。
 大丈夫だ。女子たちにはバレていない。

 あ… れ…?
 でも少し… 恥ずかしくなってきた… ぞ…?
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女子のお誕生会で(5)2017-09-02(Sat)

 ツイスターゲームは女子たちだけで大いに盛り上がった。
 俺はと言うとダイニングのテーブルでグラスを片手にスナック菓子を口に入れているだけだ。味などしない。そして少しも楽しくない。当たり前だろう。女どもがキャッキャと楽しそうにしていても男にとっては苦痛の時間なのだ。
 ましてや男子は俺一人だけ。女子のほうでも俺のことを腫れ物のように扱っているようだ。わざと話しかけないようにしている…。敵視すらしているみたいだし。俺だって好きで来たんじゃないのに。
 帰ろうにも、中邑のお母さんが入り口付近のイスに陣取っているため、悪い気がして出ていけない。

「楽しんでる?」
 静香さんが隣の席に座ってくる。「コーラでも飲む?」と紙コップを持ってきて注いだ。
「いつも麻里子と仲良くしてくれてありがとうね」
 などとお姉さんは笑顔で接してくれた。
「一人じゃつまんないでしょ? こういうときは男も女も関係なく騒いだほうが楽しいんだから」
「はぁ…」
 そう言われても男が女子なんかと遊ぶのは格好悪いと思う。男は男同士でサッカーとか野球をやるもんだ。女のママゴトに付き合うなんて他の男子にバレたら仲間に入れてもらえなくなる。
「一緒に遊んだら?」
「うぇ〜…」
 俺は嫌そうに答えていた。
「みんなも男の子と遊ぶのを恥ずかしがってるだけなんだから。君から声をかけなきゃ。ほら、入れてって。言ってみたら?」
「そんなことできるわけねーしぃ〜…」
「じゃあ、お姉ちゃんと遊ぶ?」
「ぃ、いやぁ〜…」
 段々と顔が熱くなってきた。少し歳上の女に優しくされるとどうしていいか解らない。ドギマギとしてしまった。そんなことをおくびにも出さないように俺はぶっきらぼうに「あいつらと遊んでも楽しくねーし」とか「女とは遊べんっ」などと答えていた。

「ほらいこっ」
 静香さんは俺の言ったことを聞いていなかったのか手を引っ張ってリビングの中央に連れて行く。俺は仕方なく嫌々だが女の園へ降り立った。
「みんな。草凪くんも一緒に遊びたいって」
 そして言ってもいないことを静香さんはみんなに告げるのだった。

「は? 遊びたい?」
 笹木は口の端を少し捩じ上げた。いかにも小馬鹿にしたような感じだ。ムカつく顔をしているが、ツイスターゲームの途中で四つん這いになって苦しそうな顔をしているので、それで少しは溜飲が下がった。

「あんたからそんなこと言うなんて珍しいじゃん」
「い、言ってねーし!」

「でもまぁ入れてあげようよ。せっかく来たんだから」
 中邑がソファの中央から慈悲深い言葉を告げる。普段と違って着飾った彼女はまるで王女様のように気品に満ち溢れていた。

「でもなー。プレゼントも持ってこないヤツがさー」
 喜多野が振り向きざまに蔑んだ目をする。ツイスターゲームの途中で大股を開いて笹木に跨っていた。
「ふつー持ってくるよな」
 がさつで有名な彼女らしく、誰もが思っていて口にしなかった俺の非礼を憚(はばか)りもなく責め立てた。

「あーアタシも思ったソレ。渡部の妹ちゃんでも色鉛筆セット持ってきたのに」
 砂藤が続く。

「そうそう、常識がないんだよ。草凪は」
 笹木が解ったような口調で後を継いで言い放った。

「もー…。それは別にいいんじゃない?」
 中邑はこれ以上言ってやるなよといった感じで少し困った顔をする。

「男子だからしょーがないか」
 渓口が床に寝っ転がったまま口を挟んだ。

「でもさー。こういうことはちゃんとしたほうがいいって」
 砂藤はしかし譲らない。プレゼントも持ってこないようなやつを仲間に入れるべきではないと厳しい。全体的にはどちらかと言うとみんな同じ意見のようで、中邑もそれ以上は擁護できなくなってくる。

「くっ」
 どうしても遊びたいなんて言ったつもりもないのに。俺がワガママを言っているみたいじゃないか。いつの間にか静香さんもダイニングに戻ってしまったようだし、俺も引き返そうと思った。

「何か芸したら?」
「あー、そういうんでもイイんじゃない?」
 笹木と砂藤が頷きあった。
 な、なんだと…。

「プレゼント代わりに皿回しとかして盛り上げなよ」と砂藤。
「歌とかダンスは?」と渓口。
「草凪にできるわけないでしょ」と中邑。
「腹芸ならどう? 誰でもできるし」と杁山。
「キモーい。イヤー」と渡部の妹。

 女子どもは俺の意見も聞かずに勝手に盛り上がり始めた。

「何やってもらう?」
 渓口などはキラキラした目で足をバタバタさせている。

「草凪100%やったら?」
 笹木が被虐的な笑みを浮かべて俺を見る。

「な…」
「得意でしょ? あんた」
「ぇ…」
裸芸とか前にやってたし」
「いや、アレは…」
 芸じゃない。消したい過去の話をしないで欲しい。

「いいじゃんソレ」と渓口。
「ぷっ 草凪100%。おもしろそー」と山元。
「プレゼントがないんだからそれで許してあげるわ」と砂藤。
「やぁだー」と中邑。
「草凪得意の噂の裸芸ね。やってよ!」と柏城。
「手ぶらで来たんだからそれくらいやれやれっ」と笑う喜多野。

 俺は口を挟めずにジリジリと下がる。

 しかし笹木は確信犯的に俺を追い詰めてきた。
「一緒に遊びたいんでしょっ。あんた裸になるのに躊躇しないキャラなんだからいいじゃん」

「おぼんでアソコ隠すんだよね!」
 渓口が身体を起こしておぼんを探しに行った。
 ダイニングでゆったりと寛ぐ中邑のお母さんとお姉さんは子どもたちの暴走を「あらあら微笑ましいわね」みたいな様子で眺めているだけだ。おぼんを取りに行った渓口に「これでいいんじゃない?」と紙皿を渡す。
 直径15センチくらいの小さいやつだ。

「やーれっ やーれっ」
 女子たちは妙な盛り上がりで手拍子を始めた。渓口が戻ってきて紙皿を俺に渡す。笹木は俺の背を押してベランダの前に追いやる。

「いや… あ…」
 全国のお茶の間にアソコさえ隠していれば裸で登場してもいいという市民権を得てしまったアノ裸芸。眉をひそめる親御さんも多い中、中邑のお母さんは寛容だった。お姉さんも笑顔で見守っている。中邑は眉根を寄せながらも苦笑いで止めはしない。
 もはや誰も咎めない。
 「やれコール」でオーディエンスが盛り上がり、ツイスターゲームは中断され、女子たちは期待の目で俺を注目する。

 あの時の記憶が蘇ってきた。
 堂々としていればいいのだ。恥ずかしいことなんてなにもない。
 それに『100%』の芸は見せないことに重点が置かれるものだ。テレビに普通に出られる立派な芸である。確実に隠していればいいのだから修学旅行のときより気が楽というもの。
 俺はやれる。
 簡単だろう、あんなもん。

 紙皿を床に置いて、Tシャツに手をかける。
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お知らせとか17.8.262017-08-26(Sat)

 今回は通常小説をお休みします。
 その代わりに後半でブロマガのお試し版を1000字程度掲載致します。
 今週は遅まきの夏休みということで。


 夏休みといっても仕事関係でスケジュールが詰まっているので小説に手が回らないのが真相なわけですが…。ブログの更新ルールが乱れるくらいにはイレギュラーの仕事が重なりました。ほとんど書き下ろしでやってきたので、今後は書き溜めを作るようにしていこうと思います。

 というわけでブログの更新ルールはしばらく【週一】で【1000字程度】は書き下ろしつつ、制作の体制を見直していきたいですね。


--
以下は男子VS女子開戦の章の一部抜粋です。
男子軍リーダーの公開処刑が終わった後、主人公は好きな女の子に家まで送ってもらった。少女は激しく金蹴りして男子をイジメたので、みんなの居ないところで金玉をアフターケアしてくれるようです。何か企んでる女の子っていいですよね。



 僕は汗だくで一糸まとわぬスッポンポンなのに、枡田はごくごく日常的ないつも通りを保っていた。

 この対比は男が女の子に責められているみたいで格好悪いと感じた。たぶんこういうのは男のほうが女の子の服を積極的に脱がすものなのではないのか? 何だか悔しい。枡田に格好いいところを見せたい、強がりたいと思ってもやはり駄目なのだ。僕は彼女の手のひらの上で転がされるだけ。ガバッと足首を掴まれてさらに足を広げられる。
 ぶらららんとおちんちんが揺れた。
 女の子に襲われているみたいで男らしさの欠片もない僕。悔しいけど枡田の前では女の子みたいになってしまう。所在なさげに僕の両手は胸の前で軽くクロスしている。まるで女子が胸を隠すみたいな仕草だ。
「な… ぁあ…?」
 何をされるのだろう。
 期待と恥ずかしさで僕は既にアヘ顔になっていた。
「治療だよ。お医者さんごっこだね。ふふっ 舐めてあげる」
 そう言って枡田は覆い被さる。両足が耳の横に付けられてしまう。ちんぐり返しだ。金玉の裏側やお尻の穴まで恥ずかしいところが余すところなく少女の前に開陳された。
「ふーん。ひくひくしてる…」
 小声でお尻の穴がどのように動いているのかを実況されてしまった。

 枡田は舌を出して顔を股間に近づけた。ぺろっと金玉が舐められる。
「あっ…」
 小さな刺激に全身がびくんっと跳ねてしまう。それを抑え込むように枡田の両手は僕の太ももの裏側をしっかりと捉えた。ベッドに抑え込まれ、身動きができない。なんて情けないんだ。女の子に力尽くで抑え込まれているこの姿は誰にも見せられないよ。
 ぺろぺろ
 身体が抑え込まれ動けない代わりにおちんちんが、ぴくぴくんっぴくぴくくぅんっと暴れた。ガマン汁が締まりが悪い水道の蛇口みたいにぽとぽとと水滴を落とす。ずいぶんと粘着質な水滴だ。どくどくと溢れ出てしまい、僕が気持ちよく感じてしまっている様子を如実に少女に伝えているのだ。
 ぺろっ
 ぺろぺろっ
 ぺろぺろっ

「ぁあっ ああっ んあっ…」
 責められて声が漏れてしまう。自分の意志で抑えられなくて思わず片手で口を塞ぐ。枡田は僕の反応を見ながら愉しんでいるようだった。
 枡田はさらに大胆な行動に出る。
「あぃヤぁっ」
 金玉が枡田の口の中に挿れられてしまう。小さな口の中でコロコロと転がされる。舌の上で四方八方に金玉が移動する。もぐもぐと甘噛されて湿った舌で撫で撫でされて可愛がられた。僕はお母さんに撫で撫でされるみたいに気恥ずかしさと安心感に包まれる。もうそろそろ親離れしなければならないのに、もっと甘えていたい。赤ちゃんが泣き喚くようにして僕はあんあんと泣いていた。
「んはぁん… あはっ ぁっ ぁっ ああん…」
 コントロールできないくらい喘いでしまう。
 女の子の前で女々しい喘ぎ声で泣く僕。枡田は舌だけで僕を手玉に取る。舌の上で2つの金玉がコロコロと転がされていた。肉棒は放ったらかしにされて、それでもヨダレを垂らし続ける。必死で女の子を口説くように暴れる下賤な肉棒は、高貴で可憐な少女の前では軽くあしらわれてしまうのだ。相手にされない男の哀しい姿のようだ。
 僕は完全に枡田の手のひらの上だ。
「ンフフッ」
 転がされて撫でられクスクスと笑われている。命を握られた感覚だ。ぷちっと歯を立て、殺そうと思えばいつでも殺せるし、言うことを聞かせることもできる。いい子いい子して僕を図に乗せるのも自由だ。
 僕は枡田の手駒なのだ。

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女子のお誕生会で(4)2017-08-19(Sat)

「みんな揃ったし始めよっか」
 中邑のお姉ちゃん、静香さんが声を上げる。拍手を一つしてみんなの注目を集めた。
「グラス持って。行き渡ってない人〜?」

「大丈夫。持ってる!」
 笹木がオレンジジュースの入ったグラスを掲げた。
「あ、西濃さんがまだ…」
「…っ」
 目敏く見つけた山元。隅の方にいた西濃が注目されオロオロとしている。自分だけグラスを持ってないことに焦っているようだ。

「自分から言わないと駄目だよ」
 お節介な柏城が即座に動いた。中邑のお母さんからグラスを受け取ってテーブルの上のペットボトルを手に取る。西濃は存在感のない大人しいやつだからな。グラスを渡されるまでモゴモゴとしているだけだった。

「ちょっと邪魔っ」
「っ」
 俺は柏城を避けてリビングの端に追いやられた。俺もグラスを持っていなかったので勝手にジュースを注ごうとテーブルに近づいたのだが柏城の邪魔をしてしまったようだ。

「あれ? 草凪もまだじゃん」
 柏木が気づく。
「なんで早く言わないの?」
 山元が批難してくる。
「いゃ… だって…」
 始めっからパーティーに参加するつもりもなく抜け出すタイミングを狙ってたのだ。グラスなんて持ったら積極的に参加するみたいじゃないか。
「もうっ はっきりしないやつね。グズッ」
 笹木がイライラとした様子で遠くから口撃してきた。
「このっ…」
「そんなことより早く持ってよ。足並み乱さないでっ」
 市河がキリッと割り込みグラスを渡してきた。
「ほらほら」
 渓口がグレープフルーツジュースのペットボトルを持ってくる。グラスを差し出せと言うらしい。しかし俺はコーラが飲みたい! 俺は手を引っ込める。
「あーいや…」
「モタモタしてっ 中邑さんを待たせないでよ」
 横から小島が文句を付けてくる。優等生的な女子だ。

「男子ってすぐ拒否るよね〜」
「そうそうっ」
「先生が並べって言っても並ばないし。落ち着きがないのよね」
 外野から砂藤、守谷、渡部の三人が勝手なことを喋っていた。

「ほんとそうだわ。やるなって言うとやるし。やれって言うとやらないし。男って勝手だわ!」
 喜多野がケッと蔑むように俺を見た。何故そこまで言われなきゃいけないのか! ガサツでスポーツバカの喜多野に言われたくない。

「仕方ないのよ。悪戯してみんなの気を引きたいんだね。たぶん」
 凛とした伊駒が解ったようなことを言う。クールでお姉さんタイプの彼女はちょっと苦手だ。喜多野と伊駒のコンビは頷き合っていた。

「遠慮してるのかな?」
 中邑が主賓席から困った子を見るような目で言い放った。
「足並み乱そうとしてるのよ。きっと」
 市河がメガネをクイクイッと上げ上げして したり顔だ。クールぶっているが頭に金色の三角帽子を被ってる。星の柄の入ったノリノリのやつだ。

「男子一人だけだからひょっとして恥ずかしい?」
 静香さんがニコニコとフォローするように言ってくれたが、恥ずかしがってるなどとは、そんなことがあるわけがない。
「ぃゃ… ぁ」

「顔赤くなってるもんね」
 髭の付いた鼻眼鏡を着用している山元が合いの手を入れてくる。

「モゴモゴして男らしくないね〜」
 渡部の妹が見下したような言い方をする。このガキ…。
「あれでもクラスでは威張って態度でかいのよ」
 近くの杁山がフフと笑いながら渡部妹に教えていた。あのデブ…。
「へぇ 女子に囲まれてオドオドしてるんだっ」
 渡部姉がクスッと小馬鹿にしたように俺を見た。コソコソと外野から口々に言いたい放題…。どいつもこいつも好き勝手言いやがって!

「早くしろよ バカ草凪っ」
 イライラした笹木。
「きゃははっ 怒られてやんの。バカだって草凪!」
 無理やり渓口がジュースを注いできた。

「くっ… いい加減に…」
「これ被りなよ」
 山元がパコッと勝手に変なものを被せてきた。誕生日ケーキの形をした帽子だ。やたらとロウソクが突き刺さりヒサシの付いた派手なデザインだ。これじゃまるでハッピーボーイじゃないか。ノリノリで参加してるみたいで恥ずかしい。
 蝶ネクタイにHAPPYとデザインされたメガネを付けられてクラッカーまで持たされた。女子たちはこぞって吹き出して笑顔になった。
 中邑のお母さんがダイニングから微笑ましいわねといった様子でこの光景を見ている。

「じゃあ始めるわよ」
 静香さんがパンパンッと号令をかける。お笑い芸人ぽくなった俺を見て笑う女子たちを窘めたのだ。
 どうして女子が集まるとこんなにも口出しができなくなるのだろうか。数の暴力だ。反論する隙間もない。俺は苦汁を飲んでハッピーボーイになるしかなかった。


 照明が落とされて、「おめでとー」と中邑を祝う歌が唄われ、火の付いたロウソクを中邑が吹き消される。クラッカーが鳴り響いて拍手される中邑。キラキラと輝いて可愛かった。さすがは俺が目をつけた女だけのことはある。
 一連の誕生日儀式が終わってプレゼントを渡す段となった。

「お姉ちゃんからはコレよ」
 静香さんが大きな包を持ってきた。
「わぁ、大きい。ありがとうっ」
 ぱぁっと中邑は笑顔になる。ずんぐりとしたトロそうなクマのぬいぐるみだ。粗大ごみになりそうなくらい大きいぜ。さぞ迷惑かと思いきや、中邑は嬉しそうだった。女子ってあんなものがいいのか。

「何か食べれるものがいいかなと」
 市河は持ってきた紙袋を渡していた。
「凄ぉい。手作りのクッキーだー」
 中邑だけでなく他の女子たちからも歓声が上がった。チッ 楽しそうにしやがって。その後もプレゼントが続き中邑のそばには大小様々な物で満たされていった。

「これでみんな渡し終わったかな?」
 静香さんが周囲を見回して確認する。一斉に女子たちの目が俺に向いた。俺は一人隅の方でちびちびとジュースを呑んでいる。
 プレゼントだと? 持ってこなかった。元々は男子たちが共同で金を出し合って何か買うとサトシが言っていたのだ。サトシたちに任せていたのだから俺が持ってくる道理がない。サトシたちに騙されていたとしても、俺に非はないはずだ。
 しかしそんな事情は知ったことではない女子たちはシラーッとした目で俺を見る。

「な… なんだよ…」
 俺は目を逸らして知らん振りした。

 それまでの和気あいあいとした雰囲気に水を差した形だ。だが知ったことではない。男の俺には関係ないね。
 とりあえず俺がプレゼントを渡していないことは不問にされて誕生日イベントは続行する。次はゲームをするようだ。静香さんの司会でリビングにスペースを作っていった。

 用意されたのは赤・青・黄・緑のマルが並んだ4×6マスのシート。ツイスターゲームだ。こんな子供騙しのお遊びに俺が付き合うわけない。
 しかしまさかこれを全裸で行う日が来るとは誰が思うだろうか!
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◇18歳以上推奨
 特殊な性欲を刺激する文章なので、各自で大人だと自覚できる方のみお読みください。
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Last Update 17.9.10
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Chuboo

Author:Chuboo
 特殊な性癖であるCFNM。その中でもさらに特殊なストライクゾーンを持った人向けに小説を公開しています。
 CFNMとはいろいろなところで検索すれば出てくると思いますが、一応…→男が裸で女の子はちゃんと服を着ているみたいなこと。このブログでは「恥辱」や「屈辱感」、「プライドを否定する」とかに焦点を絞っています。中でも重要なのは「決してM男ではない」ということ。なかなか理解されにくい世界ですが、徹底して屈折した快楽を希求していきます。

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