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一年戦争で(3)2015-04-25(Sat)

 ザクロは散切りなショートカットが特徴的な女子だ。
 ボーイッシュと言えば聞こえはいいが、実際は男っぽい女子なのだ。
 長身で低い声、冷徹な目、肌の浅黒さ、腕組みした姿、どれをとってもバレー部のキャプテンとしての貫禄が凄い。
 昔からスポーツ女子で、体育祭や部活に大活躍。ゲームでは司令塔の役目になることが多いことから、紺色のブルマ軍団を束ねる”総長”なんて、男子からは陰口を言われたりしている。

「…ったく。なんでデジカメ一つでそんなことになるんだよ…」
「いや…。悪い…。そんなつもりなんてなかったんだ…」
 僕はイスに座るイーグルを前に弁解していた。

 「レモンレイプ未遂」事件のニュースは瞬く間に、学校中に広まっていった。もちろん先生や他の大人の耳には入らないようにだが、イチジクには伝わっているだろうから、いつ先生に報告されるかわかったものではない。

 事件翌日から、女子たちからの目線が刺々しかった。
 「リンゴレイプ未遂」事件とはわけが違う。
 先の事件では第三者たる目撃者がいなかったのだ。だからクラス裁判にもなった。
 だが今回は、あのザクロに目撃されているのだ。噂の信憑性は信頼感のあるザクロの証言で保証されてるし、目撃者はバレー部の後輩たちも居合わせたから、事件は現行犯ということで言い逃れできない事態だった。
 クラス裁判をするまでもない。

 僕とバードは「捕虜」扱いになり「女子たちから呼び出されたらいつでも駆けつける」というルールを強いられることになった。
 刑はきっと重くなるだろう。ザクロは「死刑」だなんて言っていたし。
 あのときは「早く離れろ!」と凄まれる程度で済んでいるが、ここ数日は動きがなかった。きっと重い重い刑罰が準備されているに違いない。
 外見上は平和に見える。
 怖いくらい何もない。
 その実、女子たちからの視線が非常に刺々しい。それは僕とバードだけではなく、男子全員に向けられている。ほとんど口も聞いてくれない状態である。

「とにかく、これじゃあ弁護もできないし、大人しくあいつらの裁定を受けるしかないよな…」
 イーグルは諦めたようにつぶやく。弱りきった様子だ。確かに自分の仲間が僕みたいな無能だったなら腹ただしいだろう。

「女なんか囲まれたってぶっ飛ばせばいいだろっ」
 ドラゴンが不敵な笑みで入ってきた。
「ひとまず様子見ってとこだ。相手の出方次第で手を打とう…」
 タカが机に突っ伏したまま意見する。

 イーグルの机の周りにはイーグル一派の面々が集っている。
 イーグルの前に立たされている僕とバード。
 後ろの席に参謀役のタカ。黒縁メガネのすまし顔男子だ。
 そしてイーグルの背後には、元々はホーク派のファルコン。僕の親友であり本好きの男子で戦争とは無縁な存在。細目でひょうひょうとしている奴だ。
 バカで無鉄砲な僕とは大違いだ。

「来たらぶっ飛ばせばいいんだ。しばらく俺が一緒に居てやるぜ」
 最後にイーグルの右隣の席、つまり立たされている僕の後ろの席だが、厳つい顔のドラゴンがイスではなく机に座っていた。太めのがっしりした体で目がギラついている。イーグル一派の最大武力。なんでも力で解決するタイプだ。
 鳥類でまとめようって言ってるのにコードネームを”ドラゴン”にするあたり、わがままな性格が伺える。人に合わせようとしないし、イーグルの言うことだってすんなり聞かないし。
「あぁ、助かるよ…」
 僕はホッとするがしかし一抹の不安は覚える。火に油を注ぐような奴だからな、ドラゴンは。
「まあ、任せろって」
 ぎゃははとドラゴンは笑った。

「対策はしておく必要があるな」
 イーグルが静かに口を開く。
「実はピーチの奴から昨日直接申し出があったんだが…」
「え?」
「この戦争は泥沼化してきた。早く終わらせるためにもルールを設けて勝ち負けをはっきり決めたいと言ってきた」

「ふーん、停戦ってわけじゃないんだ。まだ相手は余裕なんだね」
 タカが口元と眉とメガネの柄をくいくい上げながら言った。
「俺はそうじゃないと思う。女子たちは力ずくで、しかも個別で報復されるのを恐れてるんだ。レモンの事件が効いたんだろう。今のところホークとバードに刑を下すのは確定みたいだが、今度はその報復を恐れてるんだろう。続けていけば報復合戦になるからな」

「じゃあ黙ってろって感じだよな」
 ドラゴンがせせら笑っていた。
「具体的には?」
「”戦死“の定義だ。戦死したら戦争への参加はできないこととする。ホークみたいに”はりつけの刑“にされても生き続けて攻撃してくるのは女子たちは納得できないらしい」
「あぁ…なるほど」
 僕は妙に納得してしまった。
「その点については俺も合意してもいいと思う。問題は何をされたら戦死になるかだ。ここの話し合いがもつれてな…」

「なんだよ。何されたらなんだ?」
 ドラゴンは楽しそうだ。
「いくつか案はあるが、今濃厚なのは女子側の戦死条件が”下着を見られたら戦死”。それに対して俺ら男子側の戦死条件は”下着を脱がされたら戦死“だ」
「な!?」僕は戸惑う。
「何だよそれ!?」バードが素っ頓狂な声を上げる。
「なるほど…」タカが何かを考えながら納得していた。
「…」ファルコンは少し口を開けて目をしばたかせた。

「ぎゃははっ。俺はそれでもいいぜっ」
 ドラゴンは膝を叩いて笑う。

「条件が不平等じゃ…?」
 僕は不安になる。男子はパンツを脱がされたら負けって、その場でおちんちんを女子に見られてしまうことになる。それに比べて女子の戦死条件がパンツを見られたらだって? 女子たちは恥ずかしい下半身を見られるリスクがない。
「まあ、平等ではないな。俺も最初はそう思ったがよくよく考えてみるとリスクが大きいのは向こうだ」
「え?」
「男がパンツを脱がされるにはズボンと下着の二段階の作業が必要だろ。それに比べて女子はスカートをめくればそれで終わりだ」
「ぉお…そういうことか。…でも大抵の女子はブルマ穿いてたりするんだろ、どーせ」
「このルールが決まったら女子たちも防御が硬くなるだろうし。そうだろうな。ズボンを穿いてくるようになるだろうし、そうでなければブルマで対応するだろう」
「じゃあやっぱり俺ら不利なんじゃ?」
 バードが心配そうになる。おちんちんを見られてしまうことに恐れをなしているんだ。

「仮に一対一の脱がし合いになったとしよう。力尽くなら俺ら男子が女子に負けると思うか?」
「いや、負けるわけないけど、一人で行動しないじゃん」
「確かに女子が単独行動なんてめったにないが、だったらこっちも単独行動しないようにすればいい。常に二人一組で行動する。基本は派閥単位で固まっていればいい」
「俺だったら一人でも女なんかに何人囲まれても負ける気がしねえけどよ」
 ドラゴンはにやりとする。そりゃあんたは負けねえだろうよ。

「最大のメリットは、ピーチの奴だ。ピーチはスカートの下にブルマを穿くことはないって自ら宣言したぜ。仮に穿いたとしても自分はブルマを見られても戦死でいいと言っていた。しかも余裕なことに戦争中はスカートで押し通すそうだ」
「ハッ。なめられたもんだ」
「な…超余裕こいてんじゃねーか…」
 僕はさすがにバカにされた気持ちになって怒りが湧く。

「女子の司令塔はピーチだ。あいつを一点集中して狙えば頭を失った軍隊なんか役に立たないだろう。あとは残党狩りするだけだ」
「そういうことか」
「ぉお、いけそうな気がしてきた」

「細かい協議を今日にも話し合うが、俺はこの条件でいけると思う。どうだ?」
「乗ったぜ」ドラゴンはすぐに返事する。
「ピーチを襲う作戦を考えよう」タカが余裕そうに笑う。
「うはっ。ぜってー勝てる!」バードは何も考えてなさそうに笑う。
「…」ファルコンはやはり何となく不安そうだが異論はないらしい。

「やるしかないか…」
 恥ずかしいおちんちんを見られてしまうリスクはあるけど、僕はイチゴやピーチのパンツが見られるのかと思うと反対する理由なんてなかった。戦争を理由に女子のスカートをめくっていいし、ブルマも脱がしていいし。
 何よりもイーグルとドラゴンが居れば、この戦争に負けはない。

 あれ、でも捕虜ってどうなるんだ…?
 まあその辺もイーグルが細かく詰めてきてくれるだろう。

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tag : CFNM 官能小説 男子と女子のケンカ

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Author:Chuboo
 特殊な性癖であるCFNM。その中でもさらに特殊なストライクゾーンを持った人向けに小説を公開しています。
 CFNMとはいろいろなところで検索すれば出てくると思いますが、一応…→男が裸で女の子はちゃんと服を着ているみたいなこと。このブログでは「恥辱」や「屈辱感」、「プライドを否定する」とかに焦点を絞っています。中でも重要なのは「決してM男ではない」ということ。なかなか理解されにくい世界ですが、徹底して屈折した快楽を希求していきます。

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